声優の養成所に通ってみたけど、逃げた話。
私がアニメを本格的にみるようになったのは、高校生の頃。
「涼宮ハルヒの憂鬱」や「ひぐらしのなく頃に」が大ヒットした時代でした。
特に涼宮ハルヒの憂鬱というアニメが好きで、YouTubeを巡回したりしてました。
ある日、カラオケでハルヒの曲を歌って録音して聴いてみたら「おっ!ちょっとハルヒの声に似てるかも。」と思ったんですよ。たぶん、実際は似てないです。
そして、こう思いました。
「私も、声優になれるかもしれない」と。
ほんと勘違いしてすみません。
そして、色々とぐぐったら声優はとても狭き門だということが判明。
声優になるには
- 声優の専門学校に通う
- 声優の養成所に通う
- 劇団に入る
- 声優オーディションを受けて合格する
こんな感じだと思います。
もちろん声優の専門学校を出たから必ず声優になれる訳ではありません。
高校卒業後、声優とは無関係の専門学校に行くことが決まっていたので、週1のレッスンの声優の養成所に行くことにしました。
入学金とレッスン料で、年間30万くらい必要だったのですが、貯金もなにもない高校生だったので親に頼み込みました。
「声優になりたいから、養成所に通いたい!」と。
これを言い出すのに、少し勇気がいりました。
突然、発表された娘の夢に少し戸惑いながらも、小さい頃からコツコツと貯めていてくれていたお年玉やお祝い金を渡してくれました。
養成所は、大手の所を選びました。
東京の中でも○○校みたいなのが数ヶ所あるようなところ。
さらに、週1コースと週3コースにわかれていて、曜日も色々なパターンがありました。
その分ライバルは多いですが、大手事務所と連携しているので、上手くいってデビューした時に心強いかなと思って。
とりあえず、見学会に参加しました。
その中で、自信満々で自己アピールがすごい女の子がいたんですが、
講師の先生も「こういう、アピールが大事ですよ!」と褒めていました。
大勢いる中で、顔を覚えてもらう為には、インパクトが本当に大事です。
見学会を終えて、いざ、入所面接へ
アイドル声優風なぶりぶりな服で出かけました。
面接内容は
- 筆記
- 実技
- 面接
人数は、6人くらい。
実技は、配布されたプリントのセリフ読みでした。
まだ入所前なので、実力はみんな同レベル。
これは、面接で爪痕を残すしかない・・・!
ここで、実際の自己PRを書くべきなのでしょうが、あまりにも黒歴史すぎるので、
省略致します。
結果だけいうと、失敗し、全員静まり返りました。
ある意味、爪痕を残すことができましたが、段々恥ずかしくなり、面接会場を出た後に全力疾走しました。
ボロボロだった入所面接ですが、無事に合格し、ついに、夢のレッスン生活がスタート!
まずは、自己紹介。
いかにもオタクな暗そうな子達ばかりだったけど、その中に1人だけ目立つ子がいました。
見学会で出会った、自己アピールのすごい子。
この子には、絶対勝てない。戦う前からそう思ってしまいました。
ここにいる全員が、共に戦う仲間であり、ライバル。
この中で、進級出来るのは、半数程度で、その後にデビュー出来るのは〇〇校で1~2人程度の狭き門です。
暗そうだと思っていた子達は、みんなキラキラと輝いていました。
レッスンに真剣に取り組み、熱気が伝わってくる。
それに比べて、私は・・・。
みんなが、一生懸命にやっていることでも、私は恥ずかしがってしまった。
あきらかに、熱量が違うのに気付きました。
そして、わずか2ヶ月ほどでレッスンに参加しなくなってしまいました。
大人になって考えると、高いレッスン料を支払って、もったいなかったなと思いますが、
もし、あの時声優の養成所に通っていなければ、今も声優に憧れていたかもしれません。
やってみたけど、私には向いていなかった。本気が足りなかった。
そう気付けたのは良かったと思います。